若者がかつての恋人に「縫い目のないシャツを作って涸れ井戸で洗うように」など
不可能と思われる仕事を次々に要求して、それが出来たら再びよりを戻そう・・・と歌い
女性からも同じように達成不可能な仕事を男性に要求して
それが出来たら希望の縫い目のないシャツを作ってあげようと答える
本来はデュエット曲であった

オリジナルは古くからスコットランドで歌われていた「エルフィン・ナイト」という民謡といわれ
これが歌い継がれてゆくうちに様々に変化して18世紀末には多くの歌詞が伝えられた
現在伝わっている歌詞 - "parsley, sage, rosemary and thyme" -
と繰り返されるバージョンは19世紀の民謡'Riddles Wisely Expounded - うまく解けた謎'
からの借用されたフレーズらしい

この"parsley, sage, rosemary and thyme"が何を意味するのかあまり詳しくは伝わっていないが
これらのハーブは異教徒の間では「恋の妙薬」であると言われている
また一説にはペストの流行と関係あるとも言われている
中世にはペストで死んだ人間の臭いが感染の原因であると考えられ
これらの臭いを消すために"parsley, sage, rosemary, thyme"のハーブが使われた
歌い手が望むのが"a cambric shirt … without a seam"ではなく
"a death cloth to cover once the singer he/she dies"と
「歌い手(自分)が死んだ時、その死体を包む布」を望んでいる歌詞もあるので
猛威を振るったペストとの関係も否定できない

1965年サイモンがロンドンでマーチン・カーシーを通してこの曲を知り
ガーファンクルが新たに反戦詞を加えて1966年にリリースした
その際サイモンとガーファンクルが作者として著作権所有者となったので
カーシーとの間に感情のずれが生じた
サイモンは2000年にロンドンでコンサートを開いた時に
カーシーを誘い共にこの曲を歌った
感情に行き違いはこのときまで続いたといわれている

メロディーが美しいだけに
バックでかすかに聞こえる反戦の歌詞が恐ろしく響く気がする

★スカボロウの市
北海に面した町スカボロウは中世より交易の拠点として重要な地点であった
13世紀半ばより毎年8月15日から45日間にわたって開かれる市には
英国国内はもとよりノルウェー、デンマーク、バルチック諸国、東ローマ帝国からの商人が訪れていた

******************************

スカーボロウ・フェアに行くのかい
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
そこに住んでいる人によろしく伝えてくれ
彼女はかつて僕の恋人だった

カンブリックのシャツを作るように言ってくれ
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
継ぎ目も針目もないシャツを
そうすれば彼女は僕の真の恋人になるだろう

*カンブリック:薄手で軽い綿織物

(緑深い丘の斜面に)
(雪に残ったすずめの跡をたどって山頂へ)
(山の子供は毛布と寝具に包まって)
(鳴り響くラッパの音にも気づかず眠り続ける)

彼女に伝えてくれ 海と浜辺の間に
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
1エーカーの土地を探してくれと
そうすれば 彼女は僕の本当の恋人になるだろう

(丘の斜面に木の葉が散って)
(銀色に輝く涙が墓を洗う)
(兵士が銃をきれいに磨いている)

彼女に伝えてくれ 革の鎌で刈りとるようにと
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
そうして全てをヒースの束にまとめたら
そうすれば 彼女は僕の本当の恋人になるだろう

(戦いの大砲が鳴り響き 緋色の服をまとった大群は炎に包まれる)
(将軍は兵士達に「殺せ」と命令する)
(とっくに忘れてしまった戦う理由 それでも「戦え」と命ずる)

スカーボロウ・フェアに行くのかい
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
そこに住んでいる人によろしく伝えてくれ
彼女はかつて僕の恋人だった

****************************

Are you going to Scarborough Fair
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
She once was a true love of mine

Tell her to make me a cambric shirt
Parsley, sage, rosemary and thyme
Without no seams nor needle work
Then she'll be a true love of mine

(On the side of a hill in the deep forest green)
(Tracing of sparrow on snow crested ground)
(Blankets and bedclothes the child of the mountain)
(Sleeps unaware of the clarion call)

Tell her to find me an acre of land
Parsley, sage, rosemary and thyme
Between the salt water and the sea strands
Then she'll be a true love of mine

(On the side of a hill a sprinkling of leaves)
(Washes the grave with silvery tears)
(A soldier cleans and polishes a gun)

Tell her to reap it with a sickle of leather
Parsley, sage, rosemary and thyme
And gather it all in a bunch of heather
Then she'll be a true love of mine

(War bellows blazing in scarlet battalions)
(Generals order their soldiers to kill)
(And to fight for a cause they've long ago forgotten)

Are you going to Scarborough Fair
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
She once was a true love of mine


中世の様子を伝える絵画を背景に美しいメロディーをどうぞ
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08/13|P Q R Sコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
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参考になりました。
エスヒロ☆と言います。
高校時代に聴いてから、はや36年経ちました。
その時からアコギで弾いてきました。
訳詩久しぶりに知りたくなり、調べ参考にさせていただきました。
生涯に一度、スカボロー地方に行こうと思ってます。
From: エスヒロ☆ * 2015/12/16 00:40 * URL * [Edit] *  top↑
某乙女ゲームの攻略キャラが歌ってたのがきっかけで好きになった曲だったんですが…反戦歌詞の和訳を見たら少し不気味に感じました。でもそこも不思議な魅力…なんでしょうね。
From: びす * 2016/03/11 00:05 * URL * [Edit] *  top↑
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